佐賀県医師支援センター

センター長挨拶

   医師にしかできない仕事とは何か


電子カルテの普及により、コピー&ペーストで他の医師の記載をそのまま引用する学生や研修医の姿を見かけるようになりました。
診断書などの文書作成も、今や医師事務作業補助者が代行入力するのが一般的になっています。
さらには、生成AIの登場により、誰もが短時間で「それらしい文章」を作成できるようになりました。


「仕事ができているように見せる」ことが極めて容易な時代となりました。
しかし、それで本当に良いのでしょうか。


このような環境下にあって、私たち医師にしかできない本質的な仕事とは何か。
私はそれを「最終決断を下し、その結果に責任を持つこと」だと考えています。

もちろん、診療における意思決定には、患者の意向が反映されるべきで、患者自身も、自己決定に一定の責任を担う存在です。
しかし、医療行為の判断の重みと結果の責任を真正面から引き受けるのは、他でもない医師の役割であると私は信じています。


では、この「責任感」はどうすれば身につくのでしょうか。


私は、それは現場でしか育たないものだと考えます。
かつては、医師は現場に放り込まれ、試行錯誤しながら責任の意味を体得していきました。現在は、安全と教育が両立する環境の中で、意図的に「判断の機会」を与えられ、その結果と向き合うことで、責任感が内面化されていくべき時代に変わってきたのだと思います。


しかし、それは若手医師にとって容易な道ではありません。
だからこそ重要になるのが、お手本となり、学習者と共に学ぶ「伴走者」としての指導医の存在です。


佐賀県は、唯一の医科大学である佐賀大学と、県内の臨床研修病院等が密に連携し、指導医のネットワークを築いています。
医学生や研修医が、安心して挑戦し、成長できる教育環境が整っています。


あなたの医師としての人生を、佐賀県で!



佐賀大学医学部附属病院 医師育成・定着支援センター

センター長(特任教授)江村 正

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