医学生・研修医へメッセージ
当教室は1981年の附属病院開院時より初代十時忠秀教授により開講されました。中央手術部とペインクリニックに加え、1983年にICUが設置されました。
2004年に第2代教授に中島幹夫先生が就任しました。2011年には第3代教授に坂口嘉郎先生が就任し、現在に至っています。
手術麻酔
当院では14室の手術室で年間7000件(うち麻酔科管理件数は約4000件)の手術を行っています。
麻酔科専門医研修プログラムに必要な症例は全て経験することができます。佐賀県の中核病院として、高度かつ先進的な周術期医療を未熟児から100歳超の高齢者まで予定・緊急手術を問わず幅広く提供しています。その他、心臓大血管手術やロボット支援下手術、小児の泌尿器・脳外科、経カテーテル治療(TAVR、アブレーション)なども多いのが特徴です。
また、手術中の全身管理だけでなく、手術全後の管理にも力を入れており、看護師、薬剤師と連携し周術期外来において入院前から全身状態の評価も行っています。
ペインクリニック・緩和ケア
2017年に平川奈緒美診療教授のもと部門が独立し新たにペインクリニック・緩和ケア科として診療しています。
毎日午前中に外来診療が行われ、神経ブロックを基に、薬物療法や理学療法、漢方などの東洋医学も組み合わせて治療にあたっています。また、緩和ケア専従医もおり、緩和ケア診療班と連携を取り、悪性腫瘍による痛みやその他の身体症状のコントロールも行っています。
集中治療部
10症の病床を持ち、心臓大血管手術などの術後厳密な管理が必要な症例や、敗血症性ショックなど多面的に治療を必要とする患者さんに対し、主科と協力して、循環補助・呼吸補助・血液浄化などの集学的治療を行っています。
佐賀県下の重症患者管理の最期の砦としての役割を果たすべく日々精進しています。
当教室の麻酔科専攻医研修プログラムは大学附属病院のほか、県内では佐賀県医療センター好生館、国立病院機構嬉野医療センター、国立病院機構佐賀病院と、県外では福岡こども病院と連携をしています。4年間の研修期間の間に、手術麻酔、ペインクリニック、緩和ケア、集中治療といった多様な領域での研修を行い、2年目には麻酔科標榜医および4年目には麻酔科専門医の取得が可能です。
教育として、定期的な抄読会に加え、レジデントによる気道管理やCVC、人工呼吸管理に関するハンズオンセミナーを実施し技術向上に役立てています。学生・初期研修医には気道管理を含めた急性期医療の他、アナフィラキシーショックや肺血栓塞栓症など手術室以外でも起こりうる急変に対応できるよう知識と手技を身に着けてもらえるよう指導しています。来年度には最新設備を整えたシミュレーションセンターを研究室に設置する予定であり、手術室外でも質の高い実習を提供できる予定です。
出産および育児に奮闘される女性麻酔科医に対し最大限のサポートを行っています。育児・仕事を両立させつつ、ストレートで専門医試験に合格された医師も輩出しています。
教室では「全身管理のスペシャリスト」を目指して、日々診療を行っています。診断名により治療法が決まるようなマニュアル医療ではなく、病態生理に基づく論理的思考により、個々の症例に最適な医療が実践できる医師を育成します。
さらに、最新の生体情報モニター、周術期患者管理システムなどハード面の充実も行い、世界標準レベルの麻酔管理ができる環境を整備しています。麻酔科専門医を目指す方はもとより、私たちの目標とする全身管理を別の分野でも生かしたい先生方もご気軽にご連絡ください。
実習・研修した先輩の言葉
「いろいろな立場の先生方が助け合って患者さんのために全力を尽くしている姿を目のあたりにし、何もわからない私に根気強く一つ一つ教えて下さるやさしさに触れて、私も仲間として一緒に働きたいと思いました。」
「麻酔科はサブスペシャリティの選択肢が多く、どのような立場になっても生涯続けていくことができるところが魅力の一つと思います」