診療科の概要と特色
耳鼻咽喉科・頭頸部外科は 「生きるをいろどる」 診療科です。
次のような特徴があります。
感覚器のスペシャリスト
ヒトの五感のうち嗅覚、味覚、聴覚・平衡覚を扱います。
コミュニケーション機能のスペシャリスト
音声、言語、聴覚など人が社会生活を営むために不可欠なコミュニケーション機能を扱います。
すべての世代を一生涯
新生児から高齢者まで自ら診察して自ら治療することができます。
内科も外科もリハビリも
診断から機能検査、薬物治療、外科手術、聴覚障害児の療育・支援まで幅広く。
プライマリーケアから終末期医療まで
- 中耳炎、鼻炎、扁桃炎、難聴、めまい、嗅覚・味覚障害、顔面神経麻痺、嚥下障害といった日常生活のQOLにかかわるもの
- 気道狭窄、深頸部膿瘍といった生命にかかわるもの
- 口腔・咽喉頭・鼻副鼻腔・唾液腺・甲状腺と多彩な領域にわたる頭頸部腫瘍の薬物・外科治療から終末期医療まで
生理学から生化学、分子生物学、病理学、再生医学、バイオインフォマティクスまで
- 内耳生理学、内耳発生学、遺伝性難聴研究、内耳再生医学
- アレルギー学、免疫学、嗅覚再生医学
- 嚥下生理学、喉頭・気管再生医学療まで
- 形態病理学、腫瘍生物学、腫瘍免疫学、バイオインフォマティクス
耳鼻咽喉科医になってから自分の興味、ライフスタイルにあった専門領域を選択することが可能
- 耳鼻咽喉科専門医を取得するまでは幅広い領域を段階的に無理なく習得
- 専門医取得後はサブスペシャリティを選択
- 真珠腫性中耳炎や人工内耳、先天性難聴といった耳科領域
- 高度な鼻副鼻腔内視鏡手術や経鼻頭蓋底手術といった鼻科領域
- 音声機能改善手術や嚥下機能改善手術といった音声・嚥下領域
- 機能温存手術や再建手術、免疫療法や分子標的薬を含む化学療法といった頭頸部癌領域
臨床実習の特徴
- 外来診療を見学し診断の流れを学習することができる。
- 学生同士で耳鼻咽喉科診察、頸部エコー、経鼻内視鏡等を行うなど診療手技を学習できる。
- 術前カンファで手術症例をプレゼンし、プレゼンテーション技能を学習する。
- 手術に手洗いして参加し、手術の実際を学習できる。
臨床研修(初期研修)の特徴
- 実際の患者の診察、検査、カルテ記載、サマリー作成を病棟医長の指導の下に行う。
- カンファレンスで術前サマリー、現治療の問題点や今後の方針についてプレゼンし討議する。
- 術後管理、化学・放射線療法中の全身管理を行う。
- 脱水、電解質異常、栄養管理、発熱、疼痛管理、有害事象対策などの初期対応を行う。
- 外来で手術後、化学・放射線治療後の患者の経過観察を行う。
- 手術に必要なメンバーの一員として参加する。
佐賀大学医学部附属病院は全国でもトップレベルの頭頸部がん診療を行っています
- 全身管理の習熟とともに頭頸部外科手術や放射線治療、化学療法など高度な頭頸部がん診療を研修することができます。
- 診療技能のみならず学会発表や論文作成を通じ、科学者としての能力も習得できます
連携施設は地域密着型で耳鼻咽喉科救急疾患も多く扱います
- 佐賀県医療センター好生館
耳鼻科一般の症例数が豊富でその手術件数も多い施設 - 織田病院
全国でもトップレベルの耳科手術や聴覚医学の経験が可能学者としての能力も習得できます。 - 小栁記念病院
耳鼻科一般の経験とともに急性感音性難聴・めまい・顔面神経麻痺など - 古賀病院21
鼻科手術を中心にアレルギー性疾患や副鼻腔疾患など - 佐世保共済病院
耳鼻科一般とともに離島を含めた地域医療など - 高木病院
耳鼻科一般とともに音声・嚥下、頭頸部疾患など
医学生・研修医へメッセージ
耳鼻咽喉科は外来で完結する疾患から多職種でのチーム医療が必要な疾患まで、一人で行う手術から複数科と合同で行う手術までと、対象疾患や働き方のバリエーションが非常に豊富な診療科です。
多彩な手術を担当する外科系診療科ですが、全身状態の良い患者さんが多く、厳重な術後管理は必要なく、急変も少ないという特徴があります。そのためオンとオフのバランスが取りやすく、自身のQOLも上げることができます。
佐賀大学では現在の専門医制度において、これまで全ての専攻医が予定通りのカリキュラムで専門医を取得することができており、その後はサブスペシャリティ専門医の取得や大学院に進学して基礎研究を学ぶ、開業医を目指すといった、自分で立てた目標に向かって活動を続けています。
まだ将来の働き方、ライフスタイルが決まっていなくても、耳鼻咽喉科医になってからゆっくり考えていくこともできます。是非、我々と一緒に働きながら自分に合った専門性を探し、佐賀の耳鼻咽喉科・頭頸部外科を引っ張っていきましょう!