医学生・研修医へメッセージ
放射線科医を志して入学する医学生はほぼいないのではと思います。内科や外科に比べ知名度が低い診療科ではありますが、診療に欠かせない全身の医療画像を扱うスペシャリスト集団であり、より高度で正確な医療を患者さんに提供するには必須の科と言えます。
放射線科医には、診断や治療方針決定に大きく関わる放射線診断医、画像を用いて実際に治療を行う放射線治療医が含まれます。放射線診断医は全身の画像的知識を有し、臓器横断的な考え方ができるだけではなく、各診療科の先生に匹敵する疾患知識を有するサブスペシャリストがいて、より的確な診断を見いだすことに貢献しています。
また、血管の中にカテーテルを挿入することで外科的侵襲なしに大出血のコントロールや癌の治療をするIVR（放射線介入下治療）も放射線診断医が行っています。放射線治療医は、基礎になる画像の知識を活用して、放射線を患部に照射することで治療を行います。手術をすることなく悪性腫瘍を根治させたり、癌の浸潤による痛みを緩和したりすることが可能です。
きっと未知の領域だとは思いますが、現代、そして未来の医療に放射線科医は欠かせません。必須の実習に加え、選択実習や選択研修で学んでみるのはいかがでしょう。画像診断、放射線治療に用いる機器は日々進化しており、AIの活用がより精度を上げている領域です。
更なる開拓を進めていける皆さんの力が期待されています。
