概要と特色・臨床実習・臨床研修の特徴
形成外科とは、身体に生じた組織の異常や変形、欠損、あるいは整容的な不満足・悩みに対して、機能のみならず形態的にもより正常に、より美しくすることによって、患者さんの生活の質 “Quality of Life” の向上に貢献し社会復帰を手助けする、外科系診療科の中の一専門領域です。
形成外科には大別して「再建外科」と「美容外科」二つの専門領域がありますが、当院で対象とする疾患は、 外傷・先天異常・腫瘍、の再建外科3つです。臨床実習の特徴として、期間中に
- 1.外傷
- 2.先天異常
- 3.腫瘍
- 4.瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド
- 5.難治性潰瘍
- 6.炎症・変性疾患
など一般的な外科基本手技入門について座学・講義を含めて幅広く学ぶことができ、実際に縫合実習、マイクロ実習などの機会があります。
また臨床研修の特徴としてはさらにこれらについて、外来診療での実際の診療にあたったり、手術において基本的な手技(局所麻酔・皮膚切開・剥離操作・縫合)の施行をしたりしてもらうことが可能です。
医学生・研修医へメッセージ
医師となってからの最初の2年間の初期研修は、医師としての基礎的な経験を積む上で最も重要な期間です。
また医学生のうちからこのことについて考えておく必要があります。一人一人の患者さんと向き合い、最適な治療法を考える習慣を身に着けるためにも、形成外科実習は有用です。その中で、形成外科には以下のような特徴があります。
- 形成外科は「クリエイティブな診療科」であり、物を作り出す喜びを感じることができます。
- 手術法の自由度も高く、新しい手術法を開拓していく、よりキズをきれいにできる、という実感がもてます。
- 身体面のみならず精神面でも患者さんの社会復帰に貢献できる実感があります。
- 全国的に形成外科医の人数も少なく、初期から執刀の機会があり、一人前になるのが早いです。
- 創傷を扱うので、外傷初期対応や診断、軟膏の選択などにおいても学ぶべき事項が多く、外科系志望のみならず内科系志望のかたにも選択科として適しています。
- スタッフ人数が少ないので、手術時など、実際の手技を行う機会もあります。
医師としての基本的な能力を磨くための条件が整っていると考えます。意欲ある方々をお待ちしております。
実習、研修した先輩の言葉
手術・外来見学が大変勉強になった。
キズの取り扱い方が理解できた。
縫合の手技が自信をもってできるようになった。
2021年度現在専攻医数
4名