概要と特色・臨床実習の特徴・臨床研修の特徴
消化器内科では、胃癌や大腸癌などの消化管腫瘍、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、胃潰瘍や大腸憩室出血などの消化管出血などの診療にあたっています。
内視鏡検査・治療も担っており、検査を年間約5000件、治療を約1000件行っています。
また、消化器癌に対する薬物療法を血液腫瘍内科の先生方とともに行っています。臨床実習では患者さんを受け持ち、基本となるカルテ記載について習得します。
また、内視鏡トレーニングモデルを用いて、実際の内視鏡操作を経験します。
更に、医学論文からの情報収集やプレゼンテーションについて学びます。臨床研修では、腫瘍から炎症性腸疾患まで幅広く受け持ち、消化器疾患の基本と消化器検査の基本を習得します。内視鏡検査・治療の介助を行い、希望者はトレーニングモデルで十分に経験を積んだあと、指導医の監督下で上部消化管内視鏡検査を実際に行うことも可能です。
また、内科学会や日本消化器病学会の九州支部例会での症例発表も行います。
医学生・研修医へメッセージ
消化器内科では、食道、胃、小腸、大腸といった消化管全般の疾患に加えて、胆嚢、膵臓の疾患に至るまで幅広い消化器疾患を診療の対象としています。これらの消化器疾患の診断・治療において上部・下部内視鏡検査の占める役割は大きく、消化器診療に欠かすことのできない手技ですので、上述のように内視鏡検査の手技習得はできるだけ早期に取り組ませる体制を取っています。
また、大学病院ではX線造影検査や小腸内視鏡検査(バルーン内視鏡、カプセル内視鏡)といった他施設では実施機会が少ない検査手技も高い精度で実施できることも特徴の一つです。2021年度より炎症性腸疾患(IBD)センターを設立し、難病であるIBD患者に対するチーム医療の実践と佐賀県IBD診療における拠点病院化を開始しました。同時に切除不能進行癌に対する化学療法も開始しています。
このように、専門性の高い領域ではトップクラスの診療を実践するとともに、消化器内科全般の診療も行っています。そして、研究面では佐賀大オリジナルの研究成果発信を目指し、基礎医学との連携も開始しました。地方創生、地方だからこそできることはたくさんあるし、やらねばならないことは山ほどあります。
新入医局員の言葉
佐賀大学消化器内科新入医局員の朝長と申します。初期研修のほとんどを大学病院で過ごし、実際に医局の雰囲気を体感して入局を決めることができました。当院の消化器内科研修では1年目で回ると病棟管理を中心とし、主に内視鏡治療後の全身管理や炎症性腸疾患のマネジメントを学ぶことができます。
特に炎症性腸疾患については現在最も勢いのある分野でもあり、エキスパートの先生方のもとで学べる、非常に恵まれた環境が整っています。一方2年目では光学医療診療部として、実際に内視鏡を手に取り、上級医の指導のもと診療を実践できるほか、EMRやESDの助手など、最先端の内視鏡治療を間近で経験することができ、とても刺激的な研修を送ることができます。
佐賀県内に複数の関連病院を有する消化器内科ですが、そのどれを見ても豊富な上級医がおり、決して1人になることはない指導体制が整っていることも大きな魅力の一つです。
ぜひ、一度内視鏡室に遊びに来てください。佐賀県で一緒に働けることを楽しみにしています。
はじめまして。2021年度より佐賀大学消化器内科に入局しました、原優実と申します。まだまだ日は浅いですが、佐賀大学消化器内科に所属してよかったと思う点について、この場をお借りして共有させていただきます。
一つ目は、多彩な疾患・内視鏡処置を経験できることです。佐賀県は都市圏と比較すると人口・病院数は少ないですが、その分各地域の中核を担う病院の需要は非常に大きいと思います。そのため、日々診療させて頂く症例の数は多く、若手の医師が経験を積み、腕を鍛えるのには恵まれた環境であると感じます。
二つ目は、医局の雰囲気が非常に良いことです。研修先や現在勤務している病院はもちろん、県内全体的に指導熱心で優しい先生方ばかりで、とても明るい雰囲気です。今後この医局でキャリアを積んでいくことに関しては心が弾む思いです。また仕事に従事する上で、人間関係のストレスがないというのは、非常にありがたいことであると感じております。
最後にはなりますが、以前国内留学を経験されている上級医の先生に、“佐賀大学の消化器内科のレベルは非常に高い、だから自信をもっていい。”との言葉を頂戴したことがあります。慌ただしい日々ではありますが、その言葉を胸に誇りとやりがいをもち、充実した日々を過ごしております。
今研修先、入局先を迷っている方々の背中を少しでも押すことができれば幸いです。
私は平成30年に佐賀大学を卒業し、その後佐賀大学で1年間、高邦会高木病院で1年間の卒後臨床研修を終え、佐賀大学消化器内科へ入局させて頂きました。
私は医師になった際は日々の診察以外に何かしら手技を実践的にできる場所で働きたいと考えていました。そのように考えている中で、初めて消化管内科に興味を引かれたきっかけは学生時代に内視鏡を実際に触れさせて頂いた事でした。その後、研修医生活が始まり様々な科で様々な手技等経験させて頂く機会を頂けましたが、健診、病気の診断だけでなくEMR、ESD等の治療に直結する手技など幅広くできる内視鏡は非常に魅力的に感じましたので消化管内科への入局を決めました。
消化管内科は多くの先輩方がおられ、入局後は内視鏡だけではなく日々の診療に関しても幅広く御指導して頂ける環境が整っています。実際、私は研修医でローテートさせて頂いていた時から内視鏡に実際触れさせて頂く機会を設けて頂くと共に内科的診療についても多くの事を教えて頂きました。
また内視鏡以外の手技も機会があれば積極的にさせて頂ける環境が整っており、研修時代だけでなく勿論入局後も着実に成長できていると実感を得られています。この拙い紹介で少しでも医局の雰囲気が伝わりましたら幸いです。
直近5年間の入局者数
- 2017年度 1人
- 2018年度 2人
- 2019年度 3人
- 2020年度 9人(江﨑教授就任初年度)
- 2021年度 5人