
令和7年度 白衣授与式を終えて
白衣授与式に参加した新5年生のシナプスメンバーの感想です。ぜひご覧ください。
今回5年生となる私たちは、共用試験に合格し、医師免許の仮免許に相当する「臨床実習適格証明書」を授与され、Student Doctor(学生医師)となりました。これまで学んだ講堂を離れ、臨床実習のため病棟へと足を踏み入れることになります。これに先立ち、これまでに教えを受けた先生方から証明書とともに臨床医を象徴する白衣を授与していただく式典が「白衣授与式」です。私も幸いに今年の白衣授与式に参加することができましたので、式を終えた感想と今後の抱負を寄稿させていただきます。


ここまでの4年間でさまざまな分野の深い講義や実習を修了することは、決して易しい道ではありませんでした。それだけに、白衣授与式に参加することができたことを素直に嬉しく思いますし、これまでの道のりに対する達成感もかみしめています。
また、白衣授与式にはテレビや新聞などのメディアも取材に訪れており、地域社会からの期待の大きさを感じました。
本文を草するに当たり、興味があって調べましたが、よく知られている看護学生の戴帽式に比べて、医学生の白衣授与式の歴史は比較的新しいようです。1990年頃に米国の医学部で導入された後、2000年代に世界各国へ広まり、日本でも一部の大学で実施されるようになりました。また、米国ではプロフェッショナリズムの自覚をもった学業開始を促すべく、入学直後に行われるのが通例のようですが、日本では臨床実習前(概ね4年次)に行われ、一定の基本的臨床知識の修得を認定し、病棟実習に臨む節目とする意味合いを持つようです。
なかでも、本年度の本学の白衣授与式は、学生の成長を支えてきた家族を招待し、その節目を祝い励ます要素を大きくしている点が特徴です。国内の多くの授与式で家族や来賓の参加が限定的であるなかで、本学はより学生のモチベーションの向上を促してくれていると感じます。
ご列席の先生方、来賓の皆様、そして私たち学生を見守ってくれた家族にも、感謝の気持ちでいっぱいです。


ご存じの方もいらっしゃると思いますが、いただいた白衣は襟元とポケット口にラインの入った、格好いいデザインです。恩師が着せかけてくださる瞬間には、緊張して少々まごつく思いもありましたが、学びをともにした仲間とともに、無事Student Doctorになれたことを実感できました。
感動をかみしめつつ、最後に私の今後への抱負を述べさせていただきます。医師は他の幾多の国家資格と同様かそれ以上に、国民の期待を受け、かつ責任を負う存在です。このたび手にした証書を一里塚として、国民の健康保全に資するために、学友たちとともにさらに学びを重ねていく気持ちです。
また、私自身としては、今後の学びの中にさらに2つの側面を求めていきたいと思います。一つ目が、チーム医療の末席に連なる者として、患者さんを不安にさせないように実践に臨む度胸を磨き、医療従事者のみなさんと力を合わせていくことです。二つ目が、今後多忙な生活を送る中、自らの健康を維持することです。私たちの選んだ医師という道に成業はなく、常に学び続ける姿勢を持つ必要があるからこそ、重要なことかと感じています。
皆さまの温かいお励ましを受けた今日の白衣授与式は、初心として私たちの心に刻まれ、生涯にわたる支えとなると感じています。先生方を始め先達の皆さまに、改めて今後とも変わらぬご指導をお願いいたします。



